榴ケ岡生 産総研での「特別講演及び見学会」で最先端の知識にふれる
2020年01月10日
12月20日、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下:産総研)東北センターにおいて、東北学院榴ケ岡高等学校特別進学コース1年生を対象とした「特別講演及び見学会」が実施されました。
このたびの実施については、東北学院榴ケ岡高等学校の卒業生(第11回生)である産総研東北センターに勤務する渡邊純一招聘研究員が仲介役となってくださり、「優秀な後輩たちに研究所の神髄を見てもらいたい」という思いから実現に至りました。
はじめに池上敬一所長代理からごあいさついただき、その後、産総研の紹介ビデオを視聴。続いて行われた特別講演では、産総研が中心となって培ってきた日本の測定技術の中心人物である藤井賢一首席研究員が登壇。130年ぶりに定義改定された『キログラム』をテーマに、「国際単位系(SI)の新しい定義」と題して単位の起源や変遷に始まり、測定方法や技術の進化、キログラムの定義改定がもたらすものなどについて、よりわかりやすく解説してくださいました。
特別講演後に行われた施設内見学を終えた生徒たちのもとへ、急な所用を終えた渡邊招聘研究員が駆けつけ、「産総研に来る前は、大学や企業などで働いていたため、たくさんの人脈ができました。私の特技はまさに人脈です。自分が不得意なことを諦めるのではなく、連携できるパートナーを見つけて助けあってください。その出会いの一つに今日があって、もしこの中から将来、理系の博士号を取って研究者になりたいという方が一人でも出てくれたら嬉しいです」と熱いエールを送ってくださいました。
それを受けた生徒代表は「今日は話についていけるか心配でしたが、とてもわかりやすく、楽しく聞くことができました。普段何気なく使っている体重計の質量にはこんなにも複雑な定義があることに驚きました。恥ずかしながら、一度も聞いたことのない単語や方式がたくさんありましたが、今日をきっかけに産総研のことや世界の最先端技術についてもっと詳しく調べてみたいです。今日はありがとうございました」と語り、19名の榴ケ岡生がキャンパスへの帰路につきました。
予定していた全プログラム終了後、藤井首席研究員は講演内容に興味を持ってもらえたことが嬉しかったと話し、「研究は人との出会いをきっかけに方向性が見えることがあります。我々はよくランチタイムにディスカッションしますけど、そうしたときに新しい着想やヒントが生まれることがあり、人との交流はとても重要なのです。榴ケ岡生の皆さんも理系の分野に進まれるのであれば、サイエンスの知識を得るだけではなく、人とのコミュニケーションがうまくとれる人に成長してほしいですね」と語ってくださいました。
このような貴重な機会を与えてくださいました産総研東北センター様、そして研究員の皆様に深く感謝申し上げます。