東北学院榴ケ岡高等学校

新着情報

年頭所感-湯本良次校長-

2020年01月06日

新コース制2年目の飛躍

 
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榴ケ岡高等学校
校長 湯本良次

 明けましておめでとうございます。
 2020年の年頭にあたり、今年も在校生、保護者、教職員、同窓生の皆さまのご多幸をお祈りし、充実した1年となりますよう祈念申し上げます。また、昨年は台風19号などの自然災害が発生いたしました。被害に遭われた皆さまに、お見舞い申し上げるとともに1日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
 昨年度本校は創立60周年を迎え、それを機に新コース制を実施、新しいコースに1年生274名(定員270名)が入学しました。各コースとも特色のあるカリキュラムのもと、学習に部活動に充実した高校生活を順調に歩んでいます。
 創立60周年のテーマを「グローバル社会にはばたく榴生」とし、10月に劇団わらび座のオリジナルミュージカル「ジパング青春期-慶長遣欧使節団出帆-」を上演しました。今から400年ほど前の1613年、仙台藩主伊達政宗の命を受け、家臣支倉常長のイスパニアへの航海。当時の技術、キリシタン弾圧の社会情勢から考えても危険を伴うグローバルな行動でした。
 11月の記念講演会にはNPO法人「ルワンダの教育を考える会」の永遠瑠(トワリ)・マリールイズさんを迎え、「生きること・学ぶこと~ルワンダの悲劇から学んだこと~」と題して講演をいただきました。1993年27歳で青年海外協力隊のカウンターパートナーとして来日、研修後すぐの1994年にルワンダの内戦が勃発、難民として隣国に逃げ、日本のホームステイの協力で家族と日本に移住した方です。現在、日本各地でルワンダの現状を講演し、支援を通して子供たちのために学校をつくり、教育を通して人づくりの活動をしています。「教育は発展と平和へのカギ、教室には希望があふれている」1つ1つのメッセージに強さが伝わりました。
 昨年のラグビーW杯の成功、今年の東京五輪、パラリンピックの開催でますます海外から日本への訪問者が増えます。グローバルな社会が身近になり、日本の魅力を発信し、世界が平和で安全で暮らしやすい社会を築く一人ひとりでありたい。榴生の1人ひとりが神様から与えられた命を大切にし、その使命を自覚し、隣人への愛の精神を持ち、「地の塩 世の光」として行動するよう期待します。
 高等学校では新しい学習指導要領が2022年度から年次進行で実施されます。改革の柱は、Society5.0と呼ばれる情報技術が革新的な進化を続ける新たな時代の到来、予測が困難な時代を生きる子供たちに、生きて働く「知識・技能」の習得、未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成、「学びに向かう力・人間性等」の涵養の偏りのない実現にあります。本校の新コース制はいち早くその実施に向けて歩み始め、今までの教育手法を変えています。生徒の主体的な学びが基本であり、教師はファシリテーター的な立場で個々に助言をするように変わります。現代社会の様々な問題点を自ら調べ、その解決に同世代だけでなく違う世代との協働をもって、社会との連携を図ることになります。課題として挙げられるのはSDGs(持続可能な開発目標)です。17の目標の細かなターゲット項目を調べ、地域の実情に合わせ、解決する過程及び結果を海外に発信することでグローバルな取り組みになります。今後とも榴ケ岡高校の教育活動にご理解とご支援をお願いします。