東北学院榴ケ岡高等学校

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【校長メッセージ】厳しさに耐えたその先に~五年目の桜に想いを寄せて~

2020年04月23日

 本校の昇降口階段下に、一本の桜の木があります。
 2015(平成27)年12月、愛媛県立東温高等学校より、東日本大震災の復興支援のために寄贈されたもので、今年、5年目にしてようやく桜花が咲きました。
 この桜の生みの親は高岡正明さんで、以下のようなエピソードがあります。


 高岡正明さんは第2次世界大戦中に三内村(現・東温市)の青年学校農業科の教員を務め、死地に向かう教え子たちに「お国のために戦ってこい。またこの桜の木の下で会おう」と見送った。
敗戦後、自責の念に苦しんだ高岡さんは、亜熱帯のジャワから極寒のシベリアまで各国で散っていった教え子の慰霊の思いと、忌まわしい戦争を二度と繰り返してはならいとの反戦のメッセージ願い(平和のシンボル)を届けようと、教え子たちが戦死した異国の気候でも咲く新種の桜作り桜を作ることを決意。
私財を投げ打った約30年間に及ぶ試行錯誤の末に、暑さにも寒さにも強い(零下30度から摂氏30度の環境でも咲く)品種の「陽光桜」(「陽光」という日本初の桜の苗木登録となる新しい桜)を生み出した。

 

 

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 また、正門手前の坂の途中に花壇がありますが、皆さんお気づきでしょうか。
 2017(平成29)年に、奨学会役員有志により始まった「通学路花いっぱい運動」のもと、元々の荒れ地を少しずつ耕して作り上げています(現在進行形)。通学路に花を植え、少しでも生徒の情操に役立つよう、作られました。法面からの湧き水もあり(命名を募集)、枯れることもなく育っています。近所の阿部さんにもボランティアで参加していただき、地域と共に活動しています。今は昨年秋に植えたパンジーとビオラが咲きました。

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 新型コロナウイルスによる厳しい状況下で、私たちは不自由を強いられています。しかしながら、今できることを精一杯やりましょう。そうすれば、5年の月日を経て開花した陽光桜や荒れ地に作られた花壇に咲いた花々のように、皆さんの今後の成長に繋がっていくはずです。われわれ教職員も全力で応援します。みんなでこの局面を乗り切りましょう。