東北学院榴ケ岡高等学校

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年頭所感-湯本良次校長-

2017年01月04日

年頭に想う、少子化と教育の位置付け

 
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    榴ケ岡高等学校
    校長 湯本良次

 明けましておめでとうございます。
 2017(平成29)年の年頭にあたり、今年も在校生、保護者、教職員、同窓生の方々のご多幸をお祈りし、ますます充実した一年となりますよう祈念申し上げます。
 昨年は熊本地震、鳥取地震、台風上陸による北海道、岩手県の被害など、自然災害に見舞われた方々にお見舞い申し上げ、一日も早い復興と以前の生活に戻られるようお祈りします。キリスト教学校教育同盟に加盟している九州学院、ルーテル学院様には生徒会を通じてお見舞いと寄付を行いました。私たちも6年前の東日本大震災で多くの支援を得ており、現在も継続的に寄付をいただいております。本当に心強い、キリスト教精神に即した行動と感謝申し上げます。
 平成28年12月末で世界の人口は約73億7,200万人と予測されます。毎年7,000万人ずつ増えていくことから、10年以内に80億人を超す計算になります(アメリカ国勢調査及び国連データを参照)。一方、日本は既に人口減少期に入り、自然動態だけで一年で27万人(平成27年)減少しています(総務省統計資料より)。特に若い人口の減少が大きく、少子化の影響が生徒募集に現れていることは周知の事実で、全国の私学にとって経営的、教育的に大きな問題となっています。ただし、社会動態では入国者が増えているため、全体での人口減は緩和され18万(平成27年)の減少に留まっているのが実情です。外国籍の人々が増えることは日本の労働人口を支え、消費を促し、多様化した社会の形成に大きく関わっているプラスの面もあります。既に欧州、米国はその傾向にあり、日本もその流れにあるのは周知の事実です。
 このような社会の変化があるため、東北学院は平成28年の創立130年を契機に150年までの20年間に渡り教育改革に着手し「TG Grand Vision 150」と称し第Ⅰ期中期計画を発表し、一年が経過しました。本校はコンサルタント会社と提携し、この改革を推し進めています。学校経営マネジメントによる組織改革、文科省の教育改革に伴う教育の質的向上、大学入試改革に伴う授業の改善、学校行事の精選、校内無線LANを整備しICT機器の導入、主体的に学ぶためのアクティブ・ラーニング授業の取組み等、教師の意識改革が求められています。いずれにしても、他国籍の方々との交流は当たり前のことになり、英語を中心とした語学力の養成が必要です。さらに、グローバル化と同時に日本の歴史や地方文化も理解しないと片手落ちになり、グローカル(グローバルとローカルの合成語)な視点での展開を行わなければなりません。
 今年本校は創立59年目、共学移行23年目にあたり、卒業生も1万2,000名を超え各方面で活躍しています。本校の資産は各方面で活躍している卒業生であり、その経験をキャリア教育として同窓会の協力を得て在校生に講演を行っています。生徒の進路は今も昔も苦労せずに進むことはなく、努力を重ねることで人間力を大きくしてくれます。何事にもチャレンジし、失敗を重ねながら今の地位を築いた先輩方の体験談は身近なキャリア教育で大変参考になります。榴生は「自学自律」のスクールモットーの下、弱者に寄り添い「隣人への愛」を実践できる若者、困難に打ち勝ち逞しく行動できる若者です。今後とも榴ケ岡高校へのご支援、ご協力、ご理解をお願い申し上げます。