東北学院榴ケ岡高等学校

年頭所感

2014年01月06日

新しいブドウ酒は、新しい革袋に

 
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    榴ケ岡高等学校
    校長 湯本良次


 新年明けましておめでとうございます。
 2014(平成26)年の年頭にあたり、今年も在校生、保護者、教職員、同窓生の方々のご多幸をお祈り申し上げ、より充実した1年が迎えられるよう祈念いたします。
 タイトルはマタイによる福音書9章17節にある聖句で、新しき自由なる福音(キリスト教)と古き律法主義(ユダヤ教)とは相容れず、仮に一緒にしてもお互いに悪い結果になることを表しています。それでは、既存の革袋を如何に新しい革袋に変えていくか?そして新しいブドウ酒を注いでも崩れないようにするには? 教育には不易と流行があります。本校にとって不易は『建学の精神』であるキリスト教に基づく人格教育を行うことです。「隣人愛」で表されるように周りの人々に愛の精神を持って、常に感謝する気持ちで接すること。さらにスクールモットーである「自学自律」の精神、「T・E・A・M・榴」心構えで学校生活に参加し、最後まで諦めず気概のある生徒を育むことは不変であります。
 一方、流行に関しては、今年度は高校での新学習指導要領の完成年度で、この中で基礎学力の定着はもとより、語学力の向上や優しさと思いやりの心を持つ豊かな感性の育成が求められています。世界は急速なグローバル化の進展で、人や物、情報等が国境を越えて行きかう時代になっています。日本が国際社会で信頼、尊敬され、存在感を発揮するために、世界を舞台に挑戦する主体性と創造性、豊かな人間性を持った生徒の育成が求められます。本校には31年間続けている海外研修があり、これを充実発展させていくことは必要です。幸いなことに仙台空港から発着できる国・地域も増え、特に新興著しいアジア圏との交流はますます近くに感じます。日本文化の理解と他国文化との違いを知り、相互に交流を深めていくことは国際社会が求める人材に、さらに東日本大震災からの復興と再生を担う人材へとつながります。
 今年度本校は創立56年目を迎え、共学に移行して20年になります。女子の卒業生も現3年生を含め1,310名を数え、全卒業生の11%までになります。卒業生の各方面で活躍は母校への力強い励ましであります。本校の教育目標に「教師と生徒のまごころのふれあいを重んじ、教育的効果を高める。」とあります。「榴で学んで良かった、学院で学んで良かった」と思われる学校であり続けるために、教職員一同『建学の精神』を理解し、神から与えられた使命を再確認し、知性に溢れ豊かな心を持ち主体的に行動できる生徒を育むために、教育の質の保障と向上に向けて進んで行くことを目指し、新年の挨拶といたします。